フィリピンは近年の経済成長が著しく、人口も増え続けていることから、不動産投資の場として人気を集めています。
中でもフィリピンのコンドミニアム投資は日本人からも人気で、マニラの一等地にある高級タワーマンションでも2,000〜3,000万円程度で購入できる物件も存在します。
しかし、「そもそもコンドミニアム投資とは何か?」「物件価格や利回りはどれくらい?」「どのエリアの物件を買えばいいのか?」など、気になる点も多いはずです。
そこで本記事では、フィリピンのコンドミニアム投資を検討している人に向けて、相場や利回り、さらに優良コンドミニアムに出会えるポイントを徹底的に解説していきます。
フィリピンのコンドミニアムには4つの特徴がある
日本ではリゾート地などにある集合住宅型の別荘をコンドミニアムといいますが、実は海外では分譲タイプの集合住宅を指します。
つまり、日本の不動産投資の対象となるマンションやアパートと基本的に同じで、明確な違いとしてコンドミニアムは家具や家電が備え付けられている点が挙げられます。
以下で、フィリピンのコンドミニアム投資の特徴に迫ってみたいと思います。
フィリピンのコンドミニアム投資の基本は区分所有
フィリピンのコンドミニアム投資は、一棟ではなく区分所有一択となります。
この理由は後ほど詳しく述べますが、フィリピンでは外国人が不動産を保有する際、規制があるためです。
そして重要な点は、物件が完成し賃貸に出す時は、内装を整え、家具や家電を揃える必要があることです。
実は、フィリピンのコンドミニアム投資で、物件完成時の状態は、シャワーや洗面化粧台、キッチン、トイレなど水回り設備くらいしか備え付けられていません。つまり、クロス(壁紙)やフローリング材、ドアなどは物件が完成してからオーナー自らが取り付ける形となります。
また、家具や家電が備え付けられたコンドミニアムが、フィリピンでは一般的なため、これらもオーナーが用意します。
内装や家具・家電は入居率を大きく左右するため、予算をしっかりかけて、現地の人のニーズに合わせて仕上げるといいでしょう。
外国人向けの規制がある
それでは、フィリピンで外国人が不動産を保有する際の規制について、詳しく説明します。
- 土地の所有は認められていない
- 外国人が所有するコンドミニアムは、全ユニット数の40%未満
- 戸建て住宅は登記簿において、土地と同一に扱われる
引用:国土交通省
特に注目すべき点が、フィリピンでは外国人による土地の所有が認められていない点です。つまり、フィリピンでコンドミニアム一棟に投資することは、事実上、不可能ということになります。
また、外国人が所有するコンドミニアムは全ユニット数の40%未満という点にも注目です。これがどのような意味かというと、例えば全100戸の物件であれば外国人が保有できるのは40戸までに制限されます。
自分が欲しいと思ったコンドミニアムであっても、外国人の保有割合が総戸数に対して40%を超えていれば購入不可となってしまうわけです。
人気の物件はすぐに完売となりますので、代理店やエージェントと綿密に連絡を取り、情報収集を念入りにしておきましょう。
カフェやジム付きが基本
フィリピンのコンドミニアムは、カフェやジム等の施設が備え付けられていることがほとんどです。中にはプールやコワーキングスペースなどが備え付けられていることも。
仮に将来的にフィリピンに移住して、購入したコンドミニアムに住むことになれば、これらの施設は使い放題というわけです。
また物件によりますが、セキュリティ対策もしっかり実施していることがあり、物件の周りを電気が流れる鉄線で囲ったり、監視カメラを設置したりと住民が安心して住めるように配慮しています。
コンドミニアムの価格が5年で2倍になることも
近年のフィリピンは、高い経済成長率と著しい人口増加率により、不動産価格も右肩上がりです。今のうちにフィリピンでコンドミニアムに投資しておけば、キャピタルゲイン(値上がり益)を獲得することは難しくありません。
たとえば、フィリピン大手デベロッパーである、DMCI homesが450万円で販売していたコンドミニアムがありました。このコンドミニアムは5年経過し、約1,000万円の価格がついています。つまりたった5年間で不動産価格が倍になったことになります。
日本の不動産投資では、5年で倍になる物件を探すことはほぼ不可能ですので、フィリピンのコンドミニアム投資が注目を浴びる理由は納得できます。
また物件価格も比較的安いため、始めやすい点もフィリピンのコンドミニアムの特徴です。
ここが気になる! フィリピンのコンドミニアム投資
それではここから、フィリピンのコンドミニアム投資をする前に、知っておきたいポイントをまとめていきます。
今回ピックアップした項目は以下の3つです。
- 相場は2,000〜4,000万円
- 利回りは4.5〜6%
- 中古物件は現金一括払いの可能性が高い
以下で詳しく解説していきます。
相場は2,000〜4,000万円
フィリピンのコンドミニアムの相場は、2,000〜4,000万円程度です。数年前までは、1,500万円程度でも購入できる物件が多くありましたが、最近はフィリピンの経済成長と共に、物件価格が上昇している印象があります。
それでも、フィリピンの首都マニラの一等地にある高級タワーマンションでも2,000〜4,000万円程度で購入でき、今後も物件価格の上昇が見込めるため、今から投資するのも遅くはありません。
なお、フィリピンのコンドミニアム投資の支払い方法は少し特殊です。
日本で不動産投資をすると、契約と共にローンまたは、一括で支払います。しかし、フィリピンのコンドミニアム投資は、「プレビルド方式」を採用していることが多く、完成までに物件価格の30%を分割で支払うという形を取ります。
分割で支払う金額は、物件価格により変動しますが、毎月6〜10万円程度が相場となります。
プレビルド方式の詳しい購入方法については、別ページで詳しく解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。
>>フィリピン不動産の購入手続きを徹底解説! 相場やローン利用についても紹介
利回りは4〜6%
不動産投資でキャピタルゲインを狙うのもいいですが、賃貸に出してインカムゲインの獲得を望まれる人も多いはずです。
気になる利回りは2022年現在、4〜6%程度となっています。東京都心の賃貸住宅一棟の利回りが4〜4.5%前後であり、大きな差ではないですが、多少フィリピンのコンドミニアムが高い水準といえます。
引用データ:グローバルプロパティガイド
引用データ:日本不動産研究所
もちろん、フィリピンのコンドミニアム投資で利回りを狙うのも悪くありませんが、日本の不動産投資と大きく変わらない水準であることは理解しておきましょう。
中古物件は現金一括払いの可能性が高い
フィリピンのコンドミニアム投資は、中古で購入することも可能です。しかし、先ほど触れたプレビルド方式よりも、中古物件の方が購入価格が高くなる場合があります。
特にフィリピンのような経済成長が著しい国は、不動産価格の上昇率も高いです。中古物件とはいえ、完成前に購入するプレビルドの状態よりも価格が高くなる可能性があります。
また、中古物件の場合は現在のオーナーが支払い方法を指定していることもあります。たとえば、現金一括払いのみを希望している場合は、まとまった資金を用意しなければなりません。
この点、プレビルドの状態であれば売主(デベロッパーや代理店)が支払い方法を複数用意していることもあり、現金一括でしか購入できないという物件は少なくなります。
フィリピンのコンドミニアム投資で注目のエリア3選
不動産投資において、重要なポイントとなるのが立地条件です。
治安の良さや鉄道の沿線、ショッピングモールがあるなど、コンドミニアムの周辺環境は物件価格や入居率を大きく左右します。これらを踏まえて、今注目のフィリピンの注目エリアを3つ紹介していきます。
メトロ・マニラ最大の都市ケソンシティ
フィリピンのマニラ首都圏を「メトロ・マニラ」といい、このうち面積の4分の1を占める最大の都市がケソンシティです。
ケソンシティは人口300万人に対し、1割にあたる30万人の学生がいることが特徴です。フィリピンを代表する国立大学であるフィリピン大学のほか、私立の名門アテネオ大学があります。
また、メトロ・マニラの中でも比較的新しくできた都市であるため、計画的に整備され渋滞も少なく、MRTというモノレールが通っています。
実はこのケソンシティには、日本のODAで2025年完成予定のメトロサブウェイという、地下鉄が通ることが決まっています。
このメトロサブウェイは、フィリピン最大の空港であるニノイアキノ空港やグローバルシティ、マカティ、オルティガスを通るため、アクセスの良さからケソンシティの不動産価格の値上がりが見込めます。
ケソンシティは、今後フィリピンで最も注目されるエリアとなるでしょう。
フィリピンのビジネスの中心地マカティ
続いてはフィリピンのウォール街といわれるマカティです。
マカティは、フィリピンの金融の中心地であり、銀行はもちろん、デパート、外国大使館のほか、多国籍企業が拠点を構えています。都市の人口は50万人に過ぎませんが、ビジネスの中心地ということもあり、富裕層が多く住むエリアとしても有名です。
今後もフィリピンのビジネスの中心として栄えていくことを踏まえると、今のうちにコンドミニアムを購入しておけば、キャピタルゲインが狙いやすいエリアといえるでしょう。
マカティに次ぐビジネス街オルティガス
オルティガスもマカティ同様に、ビジネス街として栄えている街です。
フィリピンの産業の中心ともいえる、コールセンターやバックオフィス業務などの産業が多く集まり、今後も住宅需要は増していくと予想されています。オルティガスも、先ほど述べた「メトロサブウェイ」が通るエリアで、現時点でもMRT(モノレール)が走っていますが、今後はさらに交通の便が良くなるでしょう。
ただしマカティ同様に、すでに開発が進んでいる都市であることから、不動産価格は高めです。
それでも、今後オルティガスの不動産価格は上昇していく可能性は高く、コンドミニアムの購入を考えているのであれば、早い段階で踏み切った方がいいでしょう。
フィリピンで優良コンドミニアムに出会えるポイントは?
最後に、フィリピンのコンドミニアム投資を成功させるために、優良物件に出会えるポイントを、3つに絞って解説していきます。
代理店・エージェント選びは慎重に
フィリピンのコンドミニアム投資を始める際、日本にある「代理店」や「エージェント」を経由して購入する形となります。
しかし残念なことに、フィリピンの高い経済成長率や人口増加率をいいことに、一部で詐欺業者が存在するのも事実です。
このような詐欺業者に騙されないためには、代理店やエージェントのこれまでの販売実績や提携デベロッパー、建設の進捗報告の方法など、細かくチェックしておくといいでしょう。
デベロッパーの実績も要チェック
代理店やエージェントの多くは、フィリピン現地のデベロッパー(土地や街の開発事業者)と提携していることがほとんどです。
具体例を挙げると、フィリピン最大の財閥企業アヤラ・コーポレーション傘下の「アヤラランド」、建設会社として創業した有力財閥企業DMCIホールディングス傘下の「DMCIホームズ」、フィリピンの銀行最大手バンコ・デ・オロなどを傘下に収める、SMインベストメンツグループの「SMDC」などがあります。
他にも複数のデベロッパーが存在しますが、初めてフィリピンのコンドミニアムへ投資するのであれば、ここに挙げたような大手デベロッパーが開発する物件を探すといいでしょう。
フィリピンのコンドミニアム投資の多くは、プレビルド方式のため「竣工リスク」という、途中で建設がストップしてしまう可能性があります。
一度建設がストップしてしまうと、再び建設が再開することはほとんどないため、デベロッパーの開発実績は鍵を握るともいえます。
コンドミニアムの所在地もチェックしておく
不動産投資では物件の所在地が重要と、繰り返し述べてきました。そのためには、注目エリアのコンドミニアムに狙いを定めるといいでしょう。
特に「交通アクセス」は重要なポイントです。将来的な物件価格の上昇を見込むのであれば、既出したメトロサブウェイ沿線のコンドミニアムが狙い目です。
メトロサブウェイが全線開通し、交通の利便性が増していれば、不動産価格も値上がりしている可能性が高まります。
また、交通アクセス以外にも、セキュリティ対策や洪水対策についてもチェックしておくといいでしょう。
フィリピンの治安は日本に比べると良いとはいえません。そのため、物件全体でどのようなセキュリティ対策を講じているのかを確認しておきましょう。
他にも、フィリピンは地震など災害は少ない国ですが、稀に台風による洪水被害があります。
そのため、物件の所在地が洪水被害に遭いにくい高台に位置しているか、また仮に洪水被害に遭っても電気設備などをどのように守っているのか、など調べておくといいでしょう。
なお、フィリピン不動産投資の失敗事例と、その対策をまとめた内容を、別記事で詳しく書いています。フィリピン不動産投資ならではの失敗事例もあるため、気になる方はチェックしてみてください。
>>フィリピン不動産投資で失敗しないためには? 事例をもとに徹底解説
フィリピンのコンドミニアム購入の具体的な流れは?
最後にフィリピンのコンドミニアムの購入の流れについて説明していきます。
- エージェント・代理店探し
- 物件選定(可能であれば現地で確認)
- 見積りをとる
- 契約・初期費用支払い
- 支払い開始
エージェントや代理店の多くは、問い合わせをすると最初に簡単な面談を実施してくれます。
もちろん、面談のタイミングでは購入の意思を示さなくても大丈夫です。ただし、どのような目的でフィリピンのコンドミニアムに投資するのかくらいは、伝えておくといいでしょう。
優秀なエージェントや代理店であれば、顧客のニーズを汲み取って、最適な物件を提案してくれます。
また、可能であれば現地に行き、周辺環境などをチェックしてみるといいでしょう。エージェントや代理店によっては、現地ツアーを実施している場合もあります。
物件が決まれば見積りを取り、契約・初期費用の支払いと続きます。
初期費用は、エージェントや代理店、物件によって変わりますが、少なくとも100万円前後の資金が必要です。
まとめ:フィリピンのコンドミニアム投資
今回は、フィリピンのコンドミニアム投資についてお伝えしてきました。改めて、本記事のまとめをしてみます。
- 相場は2,000〜4,000万円
- 中古物件の旨味は少ない
- 注目エリアからコンドミニアムを選定する
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